アサリの産地偽装問題
熊本県産アサリの産地偽装問題について、批判の声が上がっている。
海産物の産地については、そもそも疑問に思うことがあった。「水揚げした場所」によりブランド化され、地域ブランドとして売り出す事があったからだ。
例えば「越前がに」。
「黄色いタグは越前がにの証」と言われ、福井県の漁港に水揚げされる雄のズワイガニにはこのタグが付される。
同様に、山陰地方で水揚げされると『松葉ガニ』、石川県で水揚げされると『加能ガニ』と呼ばれるように、ブランド名を付けてブランド化されている。
しかし、言ってしまえばどちらもタダのズワイガニである。ズワイガニは漁獲地により味が変わるとされているが、県内で言えば坂井市三国町、福井市、越前町、敦賀市、小浜市およびおおい町の底びき網漁船で漁獲され、三国、越前、敦賀、小浜の4港に水揚げされたものを越前がにと呼ぶため、漁獲地はある程度範囲がある。
最近カニブランドに力を入れる石川県は「石川で穫れるカニのほうが美味い」と言う。よりブランド力を付加するなら必要な発信だろう。高給ブランド「輝」も登場し、北陸地方のズワイガニ戦争はさらに激しさを増す。しかし、ブランド戦略により肝心の「味」は変わるのだろうか?
そういった素朴な疑問を考えると、ブランド戦略はいつか限界が来るのでは?と危惧してしまう。
今後、産地ブランド合戦は第三者のエビデンスが重要になる
今回のアサリ産地偽装事件からわかるように、多くの消費者は味で産地がわからない。また、食品の良し悪しの判断には国産という「文字」を重要視していることがわかってきた。
しかし、私たちは愚かではない。インターネットという集合知により今回のような事件があれば関連ニュースがデジタルとして永遠に残り続けるだろう。その結果、産地の表記をそのまま信用する人は減少傾向になると思われる。
では「産地表記」以外に私たちが判断できるものは何があるだろうか?
今回のアサリ事件では、アサリのDNAを調査をすることで97%が中国産ということがわかったという。つまりDNAを調べれば産地偽装は防げるということだ。もちろん統計学的な有意性を示す必要があるため、一定の検体数が必要ではあるが、「産地ブランド」を示すなら今後は重要度は増すと思われる。
その際は、検査期間や検査方法を示すことが重要になり、漁協のような生産者側以外の組織が調査をすることになるだろう。
【重要】偽装の動悸について
今回の事件で最も気になった点が2つある。1つは漁協関係者のコメントだ。
「みんな食うので精いっぱい。地元の人に仕事ができて、金が落ちて回っていくのがそんなに悪いのか」
これは「食べていく(生きていく)ための不正は悪いことではない」というマインドだ。
2つ目に、このような大規模な偽装について現場あるいは責任者から現状を変えていこうという流れが生まれなかったことだ。
これらは「日本人によく見られる」と言われる、上意下達的にその場の雰囲気で同調圧力に流され、変わる必要のあったもの、変わるべきであったものに対して起こる現状維持バイアス等から発生した大きな物事に対してスルーしてしまう力が働いたために起こったことだと考える。
私たち日本人は同調圧力に屈すること無く、やるべきことをやることで、結果として多くの人が救われるものと、私は信じている。
そんなワケで、私一人でも声を上げ、議会の秘密主義をぶっ壊すべく、明日も街頭演説に勤しみます!
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